「舞妓さんとまかないさん」じゃなくて「幼馴染と相棒さん」!? キヨとすみれの二人三脚物語

幼馴染なのに役割ちがいすぎ!? 舞妓とまかないの二人三脚ライフ

『舞妓さんちのまかないさん』といえば、京都の花街を舞台に、舞妓さんとその“まかない”を作る裏方の物語。でも本作をよく見ていると、ただの「舞妓とまかない」じゃないんです。

青森から一緒にやってきた幼馴染、すみれちゃんとキヨちゃん。二人の道は途中で分かれます。すみれは舞妓として表舞台を駆け抜け、キヨは台所でその夢を支える裏方へ。まるで「直進型特急列車」と「給水ステーション」みたいな関係です。

今回の考察では、夢に一直線なすみれと、それを全力で支えるキヨ――この二人の“相棒感”を掘り下げます。あなたは、夢を追う派? それとも支える派?

すみれちゃん、舞妓道を一直線!ブレーキなんて知りません

すみれちゃんの魅力を一言でいえば、「一直線」。舞妓になると決めた日から、迷うという選択肢が見当たりません。稽古で汗だくになろうが、足が痛かろうが、「舞妓道まっしぐら!」の精神で突き進みます。

花街での舞妓修行は、外から見るよりずっとハード。踊り、三味線、所作、そしてお座敷の対応。全部一流を求められます。普通なら「今日はちょっと休もうかな…」と弱音を吐きそうな場面でも、すみれは淡々と稽古場へ向かう。その姿は、まるでブレーキの壊れた新幹線(誉め言葉)。

とはいえ、すみれだって人間。失敗らしい失敗は少ないけれど、踊りの稽古で思うように体が動かず、落ち込んでしまう場面もありました。そんな時に彼女を支えるのは、やっぱりキヨの料理。温かいごはんを前にすると、すみれは少し元気を取り戻し、「もっと頑張ろう」と気持ちを切り替えていくのです。結果として、その小さな励ましの積み重ねが、着実な成長につながっています。

そんなすみれを見ていると、「ああ、この子は舞妓としてトップに立つまで止まらないな」と確信せざるを得ません。そしてその背中には、いつもキヨの存在が――。

キヨちゃん、台所からの応援がプロすぎる件

一方のキヨちゃん。彼女はもともと舞妓になるために京都に来ましたが、途中で道が変わります。舞妓の世界からは離れたものの、彼女はそこで立ち止まりませんでした。「じゃあ私は、台所から支える側になろう」と、自然に方向転換。

朝は誰より早く起きて出汁を取り、昼は買い出しや仕込み、夜は稽古帰りの舞妓さんたちを労う温かい食事。すみれの体調や好物を考えた献立は、まるで栄養士と料理人と母親を足して3で割らない存在です。

そんなキヨの“支え力”がよく分かるエピソードがあります。まかないを任されてしばらくたった頃、稽古に打ち込みすぎたすみれが少し痩せてしまうんです。食事もそこそこに稽古に励む姿は立派だけれど、これでは体がもたない。そこでキヨが考えたのが、無意識のうちに箸が進むような、故郷・秋田のソウルフード。慣れ親しんだ味にほっとしたのか、すみれは自然と食欲を取り戻していきます。アニメではもりもり食べるシーンが強調されるわけではありませんが、その光景が目に浮かぶような温かさがありました。

キヨは多くを語りません。だけど料理一品一品が「頑張れ」「無理しすぎるなよ」というメッセージになっているんです。これ、毎日そばにいるすみれには間違いなく届いてますよね?

表舞台と裏舞台、違うけど同じゴール

すみれは舞台の上で光を浴び、キヨは台所で影から支える。見ている方向も立っている場所も違うけれど、二人が目指すゴールは同じ――「すみれが一番の舞妓になること」。

舞妓という仕事は、華やかな見た目とは裏腹に体力・精神力ともに消耗が激しい職業です。衣装の重さや長時間の立ち居振る舞いに加え、常に笑顔と礼儀を求められる世界。その日常を支えるまかないの力は計り知れません。

たとえばお座敷帰りのすみれが、疲れ切った顔で台所をのぞき「キヨのごはん、やっぱり落ち着く」と呟く瞬間。舞台での輝きと、裏方での支えがぴたりと噛み合うからこそ、この二人は走り続けられるのです。

表と裏。違う道を歩みながら、ゴールだけは同じ――この二人の関係、なんだかリレーの走者と給水係のようじゃありませんか?

言葉はいらない、心で交わす約束

すみれはキヨに対し、口に出して「ありがとう」と言うことはあまりありません。代わりに、心の中で何度も誓っているのです――「キヨに恥じない舞妓になる」と。

この誓いは、お披露目前の緊張の夜にも、厳しい稽古で足が棒になった日にも、舞台の袖で深呼吸する瞬間にも、すみれの中で何度も繰り返されています。

そしてキヨもまた、特別な言葉は使いません。ただ、いつも通りのまかないを用意し、笑顔で送り出す。それだけで充分。二人にとっては、それが最大のエールであり、信頼の証なのです。

お互いを信じきっているからこそ、言葉は必要ない――そんな関係、ちょっと羨ましくなりませんか?

夢を追う背中と、それを支える背中。二つそろって“物語”になる

すみれは夢を追う背中、キヨはその夢を支える背中。それぞれの立ち位置は違っても、二人の間には揺るぎない信頼があります。

舞妓道をひた走るすみれと、その道を陰から支えるキヨ。この二つの背中が並んで初めて、『舞妓さんちのまかないさん』という物語は成立していると言っても過言ではありません。

読者のあなたは、どちらの立場に共感しますか?
夢を追う側、それとも支える側――。どちらも等しく尊く、どちらも物語に欠かせない存在です。

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